民主党による改革なくして景気回復なし
●自公政権がうそぶいてきたここ数年の景気回復はウソ八百だった
福田政権が目の色を変えて、3月末で期限が切れるガソリン税の暫定税率を死守しようとしている。福田首相はきのう5日の参院予算委でも「日本の社会や国民のために良いことだ」と言っていたが、「政治家のため」「役人のため」の間違いではないか。
ガソリン税などの道路特定財源は、必要性が疑わしい大物政治家の地元を走る大げさな道路に消え、道路役人の「遊び」や「住まい」に流用されてきた。道路財源で1台98万円のカラオケセットまで購入していたのだからア然ボー然である。
「道路利権を仕切る自民党の族議員が道路の仕事を地元に落とし、工事を請け負った業者が献金と票で政治家に提供する。国民から吸い上げた道路財源は、受注業者を介して政治家に還流されているのです。この利権構造を見過ごし協力することで、道路役人には高級車や安い家賃の宿舎が与えられ、天下り先が確保されてきた。典型的な政官財の腐敗構造が、きょうのきょうまで温存されてきたのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
オイシイ利権構造のために政府与党はなりふり構わずだ。冬柴国交相は1月28日の衆院予算委で「1874人の首長全員が、道路特定財源は維持すべきだと直筆で署名した」とウソの答弁。6人が署名していないことがバレて、平謝りだ。
国交省は道路財源で購入した普通車両の保有台数を500台以上も低くゴマカして公表。宿舎の数を国会で問われてもアイマイな数しか出してこない。いくら冬柴が「心からお詫びする」と訂正しようが、鼻白む。
●輸出一本に頼る脆弱経済を生んだ構造内閣
今はそんなことに血道を上げている場合なのか。
国会で議論すべきは、景気の問題だろう。日本経済は今、危機的状況に直面しているのだ。
「外需頼みで何とか成長してきた日本経済は、米国の景気後退とともに失速しようとしています。外需がダメでも内需でカバーできればいいですが、昨年12月の新設住宅着工件数が前年同月比19・2%減となったように住宅投資はメロメロだし、個人消費だって9年連続してサラリーマンの賃金が下がっている現状からすれば伸びようがない。内需も外需も総崩れです」(明大教授・高木勝氏=現代経済学)
実は、日本経済の成長が外需一本になってしまった元凶は、小泉政権の構造改革にある。「市場に任せる」という無責任な“成り行き任せ政策”が、日本中をズタズタにしたのだ。
慶大教授の金子勝氏(財政学)は、こう言った。
「日本の景気回復は、まずは輸出が主導し、その後、内需が活発になって全体が底上げされる手順を踏んできました。しかし、小泉政権の発足以降、このメカニズムは壊れてしまった。2000年ごろから、ひとケタだった日本の輸出依存度は名目で16〜17%に跳ね上がりました。しかし、いつまでたっても景気は内需に転化されない。規制緩和という美名の下でやってきた構造改革の失敗が、国内市場を冷やし、外需から内需にバトンタッチする経路を断ち切ったからです」
●国家戦略を描けないのは日本だけ
派遣業法の見直しで非正社員が急増し、雇用は不安定になった。社会保障を見ても、年金はボロボロで医療費の負担は急増だ。小泉改革、竹中改革は国民生活をどん底に叩きつけた。「変える」「変わる」といわれたが、生活が悪く変わっただけ。個人消費は増えるはずもなく、内需は景気の足を引っ張り続けるのだ。ツケは大きい。
「欧米各国は今、エネルギー産業革命による新しい成長戦略を打ち出しています。石炭が軽工業、石油が自動車や航空機産業を発展させたように、太陽光発電などの環境エネルギーで新しい産業を生み、需要を創出しようとしている。そんな国家戦略もなく、市場任せにしているのは日本ぐらいのもの。小泉—安倍政権の市場原理主義は新しい産業を生みませんでした。ホリエモンや村上ファンドを生んだのです」(金子勝氏=前出)
日本経済は戦後最長の拡大期を迎えているという。自公政権はそんな大宣伝をやってきた。しかし、本当のところは輸出産業が儲かっただけ。日銀も低金利の円安でアシストしたが、その輸出すら米国の急ブレーキで狂い出している。いずれ日本は大不況に突入だ。
●利権構造守るため特別国会計にフタする福田政権
ここまで日本経済が危機に瀕しているのに、福田は道路利権の維持で頭がいっぱいだ。国会で景気のことを聞かれても、「来年度の予算と関連法案の早期成立を図ることが一番の景気対策」とヌケヌケと答え、民主党議員の追及に「補正予算、早く通してくださいよ」と気色ばむ。なんと無能な男なのか。
政治評論家の森田実氏も「福田政権のままでは、この国は潰れてしまう」とこう憤っていた。
「今こそ道路財源を含め、ムダ遣いの温床である特別会計を取り崩し、景気対策に充てる時期なのです。特別会計の積立金は総額196兆円。一般会計の2倍以上に達します。政府与党はこの隠れ資産の全貌を明らかにし、国民生活を守るべきです。利権構造に手をつけさせぬよう特別会計にフタをしたままでは、国民は浮かばれません」
角栄型のバラマキ政治の踏襲に必死の自民党に政権の座を任せていたら、日本は危ない。民主党にも「道路族」がいるが、特別会計にメスを入れようとしている。国民の目の届かない眠れる資金を再び国民の手に取り戻す。そのことを多くの有権者も望んでいるはずだ。
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